モロク討伐戦は苛烈を極めていた。
しかし、続々集結する冒険者たちによって、魔王モロクですらじり貧は避けられなくなっていた。
そしてある時、魔王モロクは忽然と姿を消した。次元の狭間に不思議なゲートを残して。
それからしばらく後、新大陸が見つかったという話を1人の騎士・ノインが耳にする。プロンテラ王城の広間で、そこへ行くための冒険者を募っていると聞き、彼女もそちらへ趣いた。
以降追記へ。
ここから追記。
城の入って左手の隅の方で、募集が行われていた。
募集担当官に話を聞いてみる。この大陸を調査するに当たってルーンミッドガルド王国・シュバルツバルド共和国・アルナベルツ教国の3ヶ国が共同の調査隊を組むという。で、ノインにも協力をお願いしたいと。ちなみにこの共同チーム結成には、魔王モロクの脅威に立ち向かう、という目的もある。
ただ、現時点では実力ある冒険者といえど簡単に調査の詳細を話すわけにも行かない。資格があるかどうかを見るために、試験が行われることになった。
ということで、最初に向かったのはアルデバラン。
時計塔の左手に、広報員がいた。ええと試験官じゃ、と思ったら、彼は試験官も兼ねているらしい。試験の話になると元気がなくなった彼に理由を聞くと、好きで試験官をやっているわけではないという。募集担当官に、試験も押しつけられたと。不平たらたらの彼だが、それでも試験はやってくれた。
ゼロピー300個。意外と簡単には集まらない。一応、アルデバラン北でポリンを倒しまくれば集まらないこともないが、それならジュノー南などのポリン密度が高い地域で倒しまくった方が早い。
もっとも、ノインは倉庫にゼロピー3千個ため込んでいる。すぐに渡すと、彼は目を丸くしながらも、次の試験地を教えてくれた。ちなみに試験は4つあるそうで。
次はゲフェン。街の南西に広報員はいた。試験のことを話すと、普通に試験を始めてくれる。この人は不満とかなさそうだ、と思っていたら、しっかり愚痴られた。
募集担当官に欲しいねと嫌みの付いた、誠実の宝石言葉を持つエメラルドを求められる。こちらもたまたま倉庫に持っていたので渡すと、そのまま第2試験クリア。ちなみにエメラルドには親切・善意という意味もある。美の女神ビーナスに献じられ、「最愛の者の誠実さの証」ともいわれたのだとか。5月の誕生石でもある。
と与太はこの辺りで第3試験。
これもこの広報員が担当で、今度はルビーを持ってくるように言われた。こちらも倉庫の片隅にあったので即渡し。エメラルド共々、モロク避難キャンプの中央辺りにいる宝石商が売っている。ちなみに7月の誕生石ルピーの宝石言葉は熱情・純愛など。まあ要は元気ですな。軍神マルスを護る宝石なので、爆発するようなエネルギーがないとやっていけないのはあるだろう。
で、そんな元気が有り余っている次の試験官はイズルードにいる。
人形師の近くにいる広報員に話しかけると、行程を称えられた後、まじまじと見つめられる。どきどきしていると、何やら目から涙を流しだした。彼の差しだした手を訳の分からないまま握り返すと、合格を伝えられた。彼の役目は強さを見極めること。そしてノインは見事に彼のお眼鏡にかなったと。
試験は全て合格、ということで、募集担当官の所へ戻るように言われた。
ちなみにBase70以上ないと、彼に適格だとは認められない。
さて王城へ戻る。イズルードの広報員は「これも我々に見識を深めさせるための担当官の熟慮だ」と言っていたが、雑誌で笑い転げている募集担当官にそんな配慮は見かけられない。
試験に合格したことで、ようやく調査団の本当の目的を開かされた。
ノインが行くのは、新大陸というよりは異世界。アッシュバキュームというコードネームで呼ばれるそこには、これまでと比べものにならないモンスターが徘徊しているという。そんなところへ弱い人がいくら押し寄せたところで、骸の山を築くだけ。異世界のモンスターとも渡り合っていける勇敢な冒険者を求めていたという。
調査団を派遣している3カ国同盟の本部はリヒタルゼン・レッケンベル本社にある。ということで、詳しくはそこで担当者に話を聞くこと、と言われた。
ここで経験値獲得。Base・Jobともにそこそこ。
さてリヒタルゼンへ。
3カ国同盟本部があるのは、正面階段を上がってやや右手。機密性の高い事項であるからか、入口をガードマンが固めている。
中に通してもらうと、中央の演壇で男が演説していた。調査団は調査だけをしていればいいのか。否。これまで対立と腹の探り合いを続けていた3ヶ国は、ここで新たな段階に向かわなければならない。人類共通の脅威を前に、いがみ合っている時ではない。今こそ恩讐を乗り越えて、人類の未来のために手を携えていかないといけない、と彼は熱弁をふるっていた。
演壇を降りた彼に声を掛ける。名前を告げると、彼も自己紹介した。ガイ、またの名をシガイツという彼こそ、同盟のリーダー。そして彼は、サブリーダーを呼んで紹介した。ムーン、ないしはムーンケンロと彼は名乗った。
固い絆で結ばれているらしいその2人から、改めて同盟の目的と経過について説明される。冒険者達との戦いで傷を負った魔王モロクは、次元の狭間3の次元をねじ曲げ、異空間へのゲートを作り、その先に消え去ってしまった。冒険者や大陸の管理達が追った先にあったのが、異世界アッシュ・バキュームであったと。
ゲート、調査団の間では時空の裂け目と呼ばれるそれは、現時点では安定していて、比較的安全には行き交うことが出来るようになったものの、異世界自体がどこに存在するかすら分からないという。もちろんゲートの動作原理も不明、制御も不可。
さらに3ヶ国同盟について突っ込んだ話を聞こうと思ったのだが、シガイツの方に用事が。各国の現地代表と会う必要があるという。しかしムーンケンロの方は、のこのこ各国まで出かけていく暇は今の調査団幹部にはないと諫める。ということで、各国への伝令役をノインが行うことになった。
レッケンベルを出たところのジョンダで位置セーブして、プロンテラとラヘルへそれぞれ出かける。プロンテラは王城正面から入って右手の小部屋、ラヘルは神殿前庭園の中央やや北。伝令文は1通ずつしか託されないので、1ヶ国に渡したらまた戻ってくる必要がある。そういうわけでのリヒセーブ。
ただ、2ヶ国とも、伝令の内容は承るものの、なんとも自国中心的。まあ、ボランティアではないからねえ…。現実主義というよりは相手への不信によるものという感じはする。
それに関連して、合間にシガイツから同盟の経緯について説明を受けた。本来であれば、自国に開いた時空の裂け目を自国で調査したかった王国だが、復興と異常対処でそんな余裕がなかったのも事実。そして3ヶ国とも、初期調査で未知の鉱物などが存在する可能性が指摘されたこともあって、調査自体には乗り気だった。人が多いに越したことはないし、共和国の技術も調査には不可欠。ということで、同盟が結ばれたという次第。なので、各国の同盟担当官の現実主義は必ずしも非難されるべきものでもない。そういった思惑が、なんだかんだで同盟を推進する力になっているのも事実。
しかし戻る度にシガイツから元気がなくなっているような気はするな。
さてラヘルから戻ると、調査団志願登録書がようやく用意できた、と言われる。これまで別の人がやっていた登録受理をシガイツ自身が行うことに。何やら感慨深げだが、それは初めて受理したからというわけではないだろう。
さて最後は共和国の議員へ伝令をすることになる。
議員は建物内にいるので楽勝、と思ったら、出がけにシガイツから問いかけられた。
世界平和はいつ、どうすれば来るか。人は自らのの利益を確保し維持したいと思う。そして人が集まれば、それは集団の利益となる。グループから地域、自治体、国、同盟国家…。全て、利害を調節しながら、自身の利益を確保しようとする。そうしないと他人に利益を奪われる可能性もある。それを調整するためにルール化したのが法でありマナーやモラル、常識といった類のもの。現在の3ヶ国同盟のルールは、非常に危ういバランスの上にある。いつかこのルールが、個々の利益よりもさらに重視されるようになるかどうか。シガイツは、自身が捨て石になってでもそのルールを定着させていきたい、と考えていた。わがままよりも協調を重視できるか。それはまさしく、これからのミッドガルド大陸のみならず、全てのところで言えるのかもしれない。
そんな話を聞いた後向かったレッケンベル本社1階広間。議員達は何やら怪しい話をしていた。…というかこれはシガイツ追い落とし?
慌てて戻ろうとしたが、入口でガードマンに止められる。そして、部屋の正面にいたチーフガードマンに、同盟リーダーが時空の裂け目で待っている、と告げられた。
チーフガードマンに、次元の狭間まで送ってもらう。ここには残されたモロクの現身もいるので、周囲に注意しながら、新たに配備された警備員に話しかけて、次元の裂け目へ。
…何か変な人たちが一杯いるんですが。襲ってくるチンピラまがいの男達をさくっとなぎ払いつつ、半周して東の岬へ向かう。
そこにいたのはムーンケンロだった。事態がよく飲み込めないノインに、ムーンケンロは自身がシガイツに代わってリーダーとなったことを告げる。さっき議員達が言っていたのと考え合わせると、ムーンケンロがシガイツを追い落としたと。
激しくなじるノインにムーンケンロも逆ギレ。彼の理想主義は、あまりに現実に即していなかった、というのが彼の言い分。だが理想なき改革は停滞しか産まない。同盟自体がぽしゃる可能性もあっただけに判断はぎりぎりだったかもしれないが、やはり微妙ではあった。
双方落ち着いたところで、最後の試験。ここにいる試験官を1人でもいいから倒してこいと。試験官ってあのチンピラのことか。ここに来るまでにさんざんなぎ倒してきたのだが、見ていなかったらしい。
しかし改めて倒しに行くとなると、これが結構見つけづらかったり。テレポできないし、リログするとセーブポイントへ戻されるので何ともはや。
何とか見つけて倒してくると、ムーンケンロもほっとした様子。最後の試験というのはいわば口実。シガイツが登録処理をした最初で最後の冒険者を、自身の手で裂け目の向こうに送り届け、その活躍を祈念したかったというのが本音。
人の思いはいろいろなのだなと、ノインはふと考えた。そして冒険者としても少し前進。
背筋の引き締まる思いでムーンケンロに裂け目の先へ送ってもらう。不思議な感覚を感じた刹那、見知らぬ大地の上にノインはいた。異世界アッシュバキュームに、只今到着。
というところで。
異世界へ行くこと自体は、レベルさえ満たしていればそう難しくもない。最初はプロンテラセーブでカプラ転送を使いつつ王国内を周り、リヒタルゼンへ移動したらそこでセーブし直して、プロンテラかラヘルどちらか片方または両方のポタがあれば移動も楽。試験官は見かけによらず弱いので、タイマンならやられることもない。アイテム集めもゼロピぐらいならさくっと集まるだろうし、ブルジョアならウンバラでにくと交換してもらうという手もある。
ただいかんせん、移動が面倒なので、それがだるく感じる理由かな。上述のようにしっかりとしたストーリーはあるのだが、必須クエストであるだけに却って長尺に感じるかも。
とはいえ、試験で適性を見られたが、異世界にいる敵の強さの前には、そんな検査はほとんど意味がなかったりする。まあ、基本的にパーティー行動推奨なので、そのレベルなら70以上というのも妥当なのかなとは。
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